パンを食べる幸せ

日記

2023/08/01

九時ごろ起きて、出かける準備をした。電車に乗り新宿へ向かう。電車を降りて、地図で何番出口か確認した。行ったことのある映画館だった。映画館に到着し少し迷って朝ごはんとして食べ物を買おうと思った。映画館で食料を販売していると、いつも購入してしまう。映画館のフード、ドリンクの注文と会計が全て機械化されていて驚く。画面をタッチし機械にお金を入れて待っているとスタッフが食事を渡してくれた。少し待って、開場したので、向かった。11階のスクリーンだった。エスカレーターで上がる。

僕は前から三列目の、スクリーンに向かって少し左側だった。席は半分も埋まっていなかった気がする。シネコンだと予告が長い気がする。色んな大衆向けっぽい映画の予告が流れた。気になった映画があったような気がしたが忘れた。本編の『イノセンツ』が流れる。同じ列に座っている人がたまにため息をつき、それが少し気になった。静かで恐ろしい映画だった。

11階から出口に向かう。エスカレーターを下りながら広い窓から外を眺めると、雨が降っている。雷の音で少しビクッとする。「ギャラリーはどうしようかな」と少しだけ考え、外に出たときにまあまあな雨の量が降っていて、傘も持っていなかったので帰ることにした。来たときの地上出入り口を探そうとしたが少し迷って、近くの地下入り口を見つけて下る。人を避けながら駅に向かい、電車に乗って帰る。帰りに松屋と自販機に寄った。

家に着いたのが午後一時くらいだった。猫はお昼なのに珍しく起きていた。「ただいま」と挨拶をする。お弁当は熱かったので、スマホゲームをして少し待つ。映画館で少し食べたのにお腹が空いていた気がした。いい温度になってきたので食べて、天気のせいか頭がだるかったので少し横になった。

SNSである動画が流れてくる。彼氏がうつ病の彼女の生活を撮影したものだ。うつ病になる前は賑やかだった彼女は、職場のパワハラでうつ病になり、今は表情も乏しく静かになったらしい。その動画では、少し暗そうにした彼女が大好きなパンを食べていた。彼氏が「おいしい?」と聞くと「おいしい」と答えて彼女は笑顔になる。僕は涙を流した。

少し昼寝をして日記などを書いて、ご飯の準備をした。いつも通り食材をチンしてご飯をよそい、居間で好きなお笑い芸人の動画を観ながらご飯を食べる。いつもよりお腹いっぱいになるのが早かった。食器を片付けて、作業机に座る。

絵を描く。下書きはしてあったので、ペンでなぞったり色を付けたりした。紙とペンの先をずっと見ていた。写真を撮り、SNSに上げる。少しでも反応があるのが嬉しい。「絵を描きたい」とメモに書いてペンなどを片付けた。明日はギャラリーか展覧会に行こうかなと考えた。

猫におやつを上げ、遊ぶ。猫の気を引き付けるためにおもちゃを縦に横に動かす。猫と遊んでいると、自然の表情が柔らかくなった。両親に見せるために動画を撮る。猫は少し遊ぶと飽きたみたいで床に座った。もう少し運動してほしいと思いながら、僕は諦めた。

水を用意し薬を飲む。SNSを見ていると少し不安になった。今の生活は心地良いが、将来ちゃんと働けるのか、外に出る、働くというストレスに耐えられるのか、グルグルと悩み始めた。今の生活に慣れすぎると、仕事をする状態に戻れなくなるんじゃないか。そろそろリハビリをしたり体力をつけて体調を調整したり、少しずつ前に進まないといけない気がする。今の生活で文章を書いて稼げるのが一番僕に合っている気がするから、その可能性も模索していきたいと思った。

八月はどんな月になるだろうか。僕は八月をどんな月にできるだろうか。パンが美味しいとか猫と遊んで楽しいとか、そういう幸せを噛み締めて一日一日生きるだけで十分なのかもしれない。一日一日生きていくだけで十分で、それ以外はおまけみたいな感覚で、ゲームみたいな感覚で日課、努力を継続していきたい。あとは、文章を書く、絵を描く、料理をする、写真を撮る、音楽を作るなど、創造力を使って没頭できる趣味は、お金にならなくても大切にしていきたい。

スキンケアをして三行くらいの日記を書き、寝る準備をした。いつもより食べる量は少なかったのに、なぜか胃腸が気持ち悪い気がした。ツボ押し器具を使ってこめかみをマッサージする。ふと思い付いて、「日記、散歩、瞑想、読書、この四つを続けていれば人生どうにかなるのでは」と備忘のために書いた。SNSでインコや文鳥の画像と動画を見て、近々鳥の写真を撮りに行きたいと考えた。目を瞑ってもなかなか眠れなかった。