メンタルクリニックの日

日記

2023/07/26

今日はメンタルクリニックの日だ。昨日、なぜか夜更かししてしまい、少し眠い状態で起きた。準備して、病院に向かう。たぶん通い始めて三年くらい経つ。60代くらいの落ち着いた先生だ。薬をもらいに行ってるようなもので、調子を話して、次の予約を決める。調子は普通だったので、薬の量も変わらない。話すタイプのカウンセリングもしてみたいのだが、一回ではあまり意味がないだろうし、保険が効かず高額なのだ。

薬局で薬をもらい、美術館やギャラリーに行くか迷う。少し頭がボーッとする気がしたので帰ろうと思ったが、ギャラリーだけならすぐ済むしとても見たい絵があるので、渋谷まで向かう。電車は日中でも人が多い。

ヒカリエのギャラリーに初めて来て、お目当ての絵を見た。岡田デレーさんという作家の作品だ。人の絵なのだが、物悲しいような不気味なような、歓喜を味わってるような世界の絶望に暮れているような、そんな不思議な絵で、心を動かされた。絵って、アートっていいなと思った。分からないものって世の中にたくさんあって、分からないものをどうにか捉えようとしたり分からないままでいいんだよって言ったりしてくれる気がした。

渋谷のギャラリーでお目当ての絵を見て、他の作品も見た。もう一つギャラリーがあったのでそちらも少し見て回った。人や建物の絵、不気味な表情、造形が好きなのかもしれない。グロテスクさ、不安を感じる絵が好きだ。

もう一つ展覧会を見ようと思い調べたが、あと二ヶ月くらいやってるみたいで、今日はしんどいから帰ることにした。帰りはなぜかイライラしていた。体調によって余裕がある状態でいられるエネルギー量みたいなものは決まっていて、それを一定量消費してしまうと、イライラや憂鬱に襲われる。体調によってはそもそも残高が少ない場合があり、エネルギーを何に消費するかの選択が上手くコントロールできないことがある。受容体のようなものが敏感になり、少しのことで感情が消費される。帰りの電車や駅でイライラしてしまった。人が多い場所は苦手だ。

帰ってとりあえず休むことにした。帰りにパンを買って昼ごはんにした。昼ごはんはいつも何を食べるか迷うのだが、食べることにワクワクするときがあって嬉しい。そういう感情、感覚が幸せなのだろう。帰って愛猫に挨拶をしご飯を食べ、イライラが消えてほしいと願い昼寝をした。

昼寝をして、18時くらいに起きた。頭が怠いが、イライラ、憂鬱は薄れていた。机に向かって文章を書く。あと一ヶ月で正式に無職になることに気付いた。休みすぎると復帰が難しくなるらしいが、うつ病回復のために休むのもありかなと思っている。すぐに正社員で働くことはあまり考えていない。労働といい距離感を保てたらいいなと思っている。そしてどんな仕事をしたいのか、どんな業界でどんな文化の会社で働きたいのか、色々考える。正直、分野はどうでもいいのかもしれない。おそらく必要であれば何に対してもある程度の興味は持てると思う。

考えたり整理したり文章を書いたりするのが好きなので、それができて嫌な人が少なければ、何でもいいのかもしれない。好きなことの近くで働くのもありかなと思って、映画館でアルバイトとして働くのはどうかとかも思う。あとは、経験や知識が個人的に今後も活かせるものであるといいなと思う。例えばメンタルヘルスはずっと付き合っていきたい分野だから、仕事で考えたものが個人でも発信できる知識になればいいのかもしれない。なんてことを、文章を書きながら考えていた。数千文字書いて晩ごはんを食べた。

夜に実家からの荷物を受け取る。防災グッズや猫のおやつなどを送ってくれた。お金も入れてくれていた。うつ病だし仕事をクビになったことを知っているから心配かけているだろうな。30歳なのに、と申し訳ない気持ちになった。何とか稼いでいこうと思う。成功したいとか思いがちだけど、生活費を稼ぐだけで役割を果たしていて尊いものだと考えていきたい。

猫のおもちゃも送ってくれたので、遊んでみた。やはり好みのおもちゃがあるらしい。すぐに飽きるかもしれないが、色んな種類があると楽しんでもらえそうだ。

寝る準備をして横になる。23時くらいになると、憂鬱がやってくる。夜になると気持ちが沈むんだな。気持ちが沈むと、会社を追い出されたことを思い出す。当たり前だが会社の資本主義的なレールからすると僕は価値がないと判断され、能力がない、非生産的、心が弱いなどは会社にとって排他すべき邪魔な存在だという構造、思想を考えると、行き場のない漠然とした苛立ちや憂鬱に襲われる。競争から離れた方が心が落ち着く気がする。労働と折り合いをつけ、自分の表現力、思考力、知性、心の豊かさに磨きをかけることが使命、復讐だと思う。

毎晩そんなことを考える。できれば会社を追い出されたことを忘れてしまいたいが、なぜかトラウマのように感じることがある。毎日思い出してしまうし、眠ったときに夢でも悪夢みたいな感覚で再現されることがある。クビが取り消された夢とか、最終日に上司や社長と話す夢など、色んな形で表出する。目覚めたときに、恐ろしいくらいの憂鬱や憎悪を感じる。そんなに大事だったのか、と不思議に思うし、何に対してそこまで感情的になる必要があるのだろうとも思う。事実上クビになった以外に、何かしらの根深い原因があるのだと思う。早く忘れたいけど、何度も何度も考えるしかないのかなとも思った。